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タンバリンでできたオーロラ
第34章 ドクター・オフィスラブ
「オフィスというのは事務所ではないのかな?」
「そうですわね」
「ここはオペ室なのだから、ラブは控え目にな」
「はーい!」

発情した猫のようにきゅんと肩をすくませてマリカがぷりんっとお尻を向けて手術道具を棚から降ろす。

「ねえ、センセ。先生の年収って一千万超えているんでしょう?」

そんなことを尋ねながらも手を止めない所はさすが優秀だ。

「うむ」

今度こそ、俺は頷いた。

「超えてはいるが、クランケにそういう話は聞かせないように」
「あら、いいじゃないの。どうせ麻酔がかかっているんでしょう?」
「……局部麻酔がね」
「ほら」

愛くるしくニッと微笑むマリカ。
白衣の天使とは彼女のためにあるような言葉だ。

「キミは局部の意味をわかっているのかね」
「やだ……そんなの知ってるに決まってるじゃないですか、だって毎晩センセがはふぅ」

そう言ってマリカが俺の局部に取りつく。
しまった、スイッチが入ってしまったか。

こうなると俺には止められない。
何故なら、すでに手を洗ってしまったので、術野に触れるまでは両手を降ろせないからだ。

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