この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
タンバリンでできたオーロラ
第37章 英雄 ~あるいはコロンブスと卵の話~
ワイバーンが高い声で鳴き、目的地に近づいたことを知らせる。僕はその背の上で身体を起こして前方を見晴るかした。

水平線の彼方に黒い陸の影。

それはグングン近づき、あっという間に眼下いっぱいの大地となる。小さな漁村の上空を滑るように通り過ぎ、丘を越え、田園地帯をひとっ飛びにする。道行く馬車を見降して。

遥か地上では豆粒のように小さく見える住民たちが、顔を上げて僕らを指さしている。空を埋め尽くすこの飛竜の大群の襲来を。慌てて駆け出す者、その場にへたり込む者、恐慌する地上を意に介さずに、雲をなぎ、風邪を切り裂いて僕らは突き進む。

そして、堅牢な守りを誇る首都が姿を現した。

そびえ立つ城壁はしかし、僕らを阻むには低すぎ、やすやすと侵入を許す。
手綱を引くと、グンッという急降下の浮遊感。一瞬、鞍と尻との間に隙間ができる。僕は力いっぱいに身を伏せて、飛竜のたてがみに顔を埋めた。後続する部隊の飛竜が口々に恐るべき咆哮を上げ、周囲はたちまち熱焔を吐く予兆の、空気が焦げる匂いが立ち込める。


ああ、この物語はどのように終わるのだろう?

/619ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ