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タンバリンでできたオーロラ
第5章 キリングス・オブ・キングス ~禁断デュエル 処女開封~
「《銀細工のティアラ》はプレイヤー自身を残りライフと等しい攻撃力を持つクリーチャーとして出陣させることができる。……《兵士》が護ってくれたおかげで、まだこちらのライフは残っているぞ!」
「それは手札がすべてプリンセス属性のカードのときだけだっ!」
ワタルが喚いた。
《キリングス・オブ・キングス》は王宮での陰謀と魔術による戦いをテーマにしている。全てのカードは王、女王、王子、姫君のいずれかに属す。
「ああ、わかっているさ……」
黒のキャップの下でニヤリと笑って祐希が残った手札をテーブルに曝した。それは2枚とも王女に属するカードだった。
「これによりプレイヤーのライフを攻撃力に換算した《姫君の化身》が場に召喚される! 更に!」
畳み掛けるようなコンボ攻撃だった。
ギャラリーから感嘆の声が上がる。
「《断崖の吊り橋》の効果、場に一体しかクリーチャーがいない場合、そのクリーチャーは即座に敵プレイヤーへ直接攻撃を仕掛けることができる!」
「ぎゃあああああああああっ!」
ワタルが悲鳴を上げた。
《姫君の化身》の一撃が、わずかだったワタルの残りライフを削り取ったのだ。