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緊縛の夜
第4章 AV
「どうして?」 

彼はしばらくして小さな声でそう言った。

「昔からやりたいと思っていたの」

私はそう言って顔が赤くなった。

彼に自分が性欲の強い女だと思われる気がしたからだ。

「この前のことは関係あるの?」

彼は私にそう訊いた。

私は何も言えず、下を向いていた。

本当はAV女優になるんじゃなくて彼と幸せな家庭を築いていきたかった。

でも今の私にはそんなことできるはずもなかった。

このままずっと一緒に彼といるつもりはなかった。

私はこの先も一人で生きていく覚悟があった。

「由里のしたいようにするといいよ」

彼は私にそう言った。

私は黙って肯いた。
 
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