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弟プレイ
第8章 永遠の誓い
「あなたが蒼くんを引き取るって言ったときはどうなることかと思ったけれど……立派になったわね」
「えぇ……」
拍手をしながら祝福する自分の娘と息子を、母は眩しそうに眺めていた。
「二人にはまだ話してないの? あのこと」
「えぇ…まだ。でも近々話すつもりよ」
姉が言うあのこと。
それは蒼が、自分の本当の息子ではないこと。
蒼がまだ生まれたばかりの赤ん坊だった頃。
親友の夫婦二人を交通事故で亡くし、その忘れ形見だった息子を……彼女は引き取ったのだ。
周りの反対を押しきってでも、この子は私が育てる。
その力強い意思と共に。
「……そろそろ潮時ね、きっと」
母は密かに二人の関係に感付いていた。
(確証がある訳じゃないけれど、もしかするとあの子達は……)
花嫁の手から放たれるブーケ。
偶然にもそれは梓の手の中に落ちた。
――それは遠くない未来。
二人に待ち受ける幸せの前触れだったのかもしれない。
‐END‐