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狐面の男に 愛されまして
第2章 不審な男に 絡まれまして


“ みんなにとったらわたしもお化けなんだ ”


彼女は妙に納得できた。


「…だから、お化けじゃない。僕は魔法使いだって言ってるでしょうが」

「……」


何も言っていないのに返事がくる。

読心術を使うのはやめてほしい。


「──…つまり君にもその素質があるんだ。僕と一緒においで、サチ。サチが必要なんだよ」




....



サチ、サチ、サチ って

立て続けに呼ぶの、やめてほしい。



「……」



聞き慣れてないんだから。

誘拐なら、間に合ってますから。



「──…サチ、泣いているの?」


「……」



悪いですか

泣いたら悪いんですか。



仕方ないでしょうが。

ビックリしたら、涙が止まらなくなる時ってあるでしょうが。



「…あなた…だれ」


「シュウと呼んでくれ。…会いたかったよ。僕の大切なお嫁さん」


「……」



冗談はやめてほしい。

わたしはまだ十五歳。

あなたはどう見ても、大人なの。




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