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狐面の男に 愛されまして
第4章 無知な自分は 騙されまして


よく届く──

自分を名前で、呼ぶ声が。


(サチ ハ、にんげん ノ オンナノコ?)

「うん」

(にんげん、ココにいない……
 にんげん、ボクら みえない……
 サチ ハ、と く べ つ♪)


小躍りしているカワウソ君は、嬉しそうで。

未だに遠くから話し掛けてくる彼は

大きな眼を光らせて彼女を見つめてくる。


(サチ ハ、ボクら こわくない?)


彼は彼なりに、彼女に気を遣っているのかもしれない。


「怖くない」

(やった♪ヨカッター)


怖くないのは本当で…

彼女が今までに目にしてきたお化けの中で、カワウソ君はかなり可愛い部類。

それを正直に伝えてやると、彼は喜んで跳び跳ねた。


「……」

(ボク、サチ ト あそびたいナー。ボクのトモダチにあってほしいナー)

「…友達?」

(と、も、だ、ち♪イッパイ。サチ モ ともだち)

「…?」



(いこう ヨ)




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