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狐面の男に 愛されまして
第5章 おムコさんに 愛されまして
それなら、わたしも…?
「……ッ」
「──…( ニ コッ‥)」
彼女の口の端が、ほんの少しだけ上がって
固まってしまった頬の筋肉を懸命に持ち上げている。
…それが、彼女の微笑みだった。
微笑むという言葉にするには、いくらか無理のある表情かもしれないけれど。
だって
シュウさんも緊張しているように見えるから。
“ 困った… ”
しかし、それを見たシュウは悩んだ。
今から彼女にキスをしようとしていたのに…こんな顔されたら、その時間すらも勿体ない。
…見たい、彼女の
その無の表情を、もっともっと剥ぎ取りたい。