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刺繍のような詩集のような。
第1章 貴方のコトバ
貴方のコトバだけが
私の想いを
右にも
左にも
揺らしてくれる
メールの着信。
その音だけが
胸の奥のメトロノームを優しく動かす
強がりを気取って
無音の時間も
自分の言葉で埋めてみるけど
いつだって
誤魔化しきれない感情は
貴方の電波に撫でられて
餓えた獣みたいに目を覚ます
貴方のコトバだけが
私を飼いならして
懐柔して
従順にしてくれる
正しく餌付けして?
正しく放牧して?
時々、強く引っ張って?
私の首輪は貴方の右手に
太くて固くて頑丈な、
赤い紐で繋がってるんだって
ちゃんと伝えて。
貴方のコトバだけが
いつでも、私の、唯一の、よすが。