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君はカノジョ
第2章 聞いてよ、桃子さん

「っで、小一時間抱きしめてあげて何もせず帰ったと」
「うん」
「ケ~~~ッ、な~んなのそれ?何プレイよ。さすが計算高いわね、金原沙耶子」
「…やっぱり?」
「まぁね。ってか気付いてて二番目に成り下がってるとか男としてどうよ」
「あーもうそれは言わないで。俺が一番思ってんだってそれは」
はぁー半田アホすぎ付いていけん、と桃子さんは椅子にふんぞり返って言った。
同期入社でデスクも隣、なんだか頼れる彼女のことを俺は敬意をこめて「桃子さん」と呼ぶ。歳は俺の方が一つうえなんだけれども。
「あーそれよりこのサバの味噌煮うますぎ~」
「…桃子さんは幸せそうだよなぁ」
昼の休憩時間。定食屋でだべりながらご飯を食べる。上司の悪口から晩のおかずの相談まで、話題に上ることは様々だ。
「ご飯がおいしくて幸せで何が悪いのよ」
「いいえ、何にも悪くないです」
「ふん。まぁ半田がそれでいいなら何も言わないけどさ。なんかここまでくるとその金原沙耶子の好きな相手っての一回見て見たいわよね」
「あー。確かにね」
「実はとんでもない相手だったりして」
「例えば?」
ふーむ、と桃子さんは視線を彷徨わせ、
「…弟、とか」
とさすがに小さな声で言った。
「はぁ!?」
俺は素でびっくりして大きな声を出してしまう。桃子さんはそんな俺を見てケタケタと笑った。
「冗談冗談」
「なんなんだよその斜め上の発想は~」
俺は口から飛び出したご飯粒を拭きながら言った。
「いやぁ、そういう漫画を読んだもんで」
ごめんごめん、と口先で謝る。どんな漫画だよ。
「うん」
「ケ~~~ッ、な~んなのそれ?何プレイよ。さすが計算高いわね、金原沙耶子」
「…やっぱり?」
「まぁね。ってか気付いてて二番目に成り下がってるとか男としてどうよ」
「あーもうそれは言わないで。俺が一番思ってんだってそれは」
はぁー半田アホすぎ付いていけん、と桃子さんは椅子にふんぞり返って言った。
同期入社でデスクも隣、なんだか頼れる彼女のことを俺は敬意をこめて「桃子さん」と呼ぶ。歳は俺の方が一つうえなんだけれども。
「あーそれよりこのサバの味噌煮うますぎ~」
「…桃子さんは幸せそうだよなぁ」
昼の休憩時間。定食屋でだべりながらご飯を食べる。上司の悪口から晩のおかずの相談まで、話題に上ることは様々だ。
「ご飯がおいしくて幸せで何が悪いのよ」
「いいえ、何にも悪くないです」
「ふん。まぁ半田がそれでいいなら何も言わないけどさ。なんかここまでくるとその金原沙耶子の好きな相手っての一回見て見たいわよね」
「あー。確かにね」
「実はとんでもない相手だったりして」
「例えば?」
ふーむ、と桃子さんは視線を彷徨わせ、
「…弟、とか」
とさすがに小さな声で言った。
「はぁ!?」
俺は素でびっくりして大きな声を出してしまう。桃子さんはそんな俺を見てケタケタと笑った。
「冗談冗談」
「なんなんだよその斜め上の発想は~」
俺は口から飛び出したご飯粒を拭きながら言った。
「いやぁ、そういう漫画を読んだもんで」
ごめんごめん、と口先で謝る。どんな漫画だよ。

