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君はカノジョ
第2章 聞いてよ、桃子さん

桃子さんに話してしまったからか、午後はわりと快調に仕事が進んだ。
仕事の合間に「台風は明日の夕方過ぎにこの辺に来るらしい」と情報が回ってきて、皆が台風が来る前に早く仕事を済まそう、と考えていたのもあっただろう。
定時の五時には雨も降りだしていて、仕事の目処をつけた者から早めに帰宅していく。
ただこういう時にはりきってしまうものもいて、明日台風な上に今日が木曜だったもんだから、金曜の負担を軽くしようと先回りに新しい作業に手をつけていたずらに就業時間を延ばしているものもいた。
俺もその中の一人で、7時過ぎに桃子さんにほどほどにしときなよー、と声をかけられたのを最後に誰とも喋らず黙々と一人で作業をし、気が付くと8時を過ぎていて、自分の部署には誰もいない、という有様だった。
雨はしとしと、といった感じでまだ大丈夫そうだ。
作業はほぼ終わっていて、これなら明日はゆっくり通常業務にあたりつつ早めに上がれそうだ、と結構な充足感で席を立った。
休憩室の自販機でコーヒーでも買って、少し休んでから帰ろう、と思った。
休憩室は俺の部署からはドアを出て左へ歩いて行く。会社の出口に向かうなら右に。
この時、俺はさっさと帰る準備をして、さっさと右へ歩いて行くべきだったのだ。
ご機嫌で左へ向かった俺が聞いたのは、休憩室でエロい何事かをしている男女の声だった。
仕事の合間に「台風は明日の夕方過ぎにこの辺に来るらしい」と情報が回ってきて、皆が台風が来る前に早く仕事を済まそう、と考えていたのもあっただろう。
定時の五時には雨も降りだしていて、仕事の目処をつけた者から早めに帰宅していく。
ただこういう時にはりきってしまうものもいて、明日台風な上に今日が木曜だったもんだから、金曜の負担を軽くしようと先回りに新しい作業に手をつけていたずらに就業時間を延ばしているものもいた。
俺もその中の一人で、7時過ぎに桃子さんにほどほどにしときなよー、と声をかけられたのを最後に誰とも喋らず黙々と一人で作業をし、気が付くと8時を過ぎていて、自分の部署には誰もいない、という有様だった。
雨はしとしと、といった感じでまだ大丈夫そうだ。
作業はほぼ終わっていて、これなら明日はゆっくり通常業務にあたりつつ早めに上がれそうだ、と結構な充足感で席を立った。
休憩室の自販機でコーヒーでも買って、少し休んでから帰ろう、と思った。
休憩室は俺の部署からはドアを出て左へ歩いて行く。会社の出口に向かうなら右に。
この時、俺はさっさと帰る準備をして、さっさと右へ歩いて行くべきだったのだ。
ご機嫌で左へ向かった俺が聞いたのは、休憩室でエロい何事かをしている男女の声だった。

