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ネムリヒメ.
第9章 イチゴ味の夜と….
彼の顔が近づいて吐息が唇を掠める
綺麗な指で頬を撫でられると
…ゆっくり唇が重なった
そっと…まるで繊細なガラス細工に触れるかのような、触れるだけの優しいキス
何度も何度も優しく唇が触れあう
「ちーちゃん…」
優しく名前を呼ぶ掠れた彼の声
濡れた唇がアタシの名前を紡ぐと彼の熱い舌が唇を割って入ってくる
「ふっ…んん…っ」
口のなかが葵くんの熱でいっぱいになって目を閉じて彼の腕にしがみついた
甘い声を漏らしながら彼の熱を受け止める
…これでいい
頭のどっかでそんな声が聞こえた
葵くんはゆっくり唇を離すと、もう一度アタシを抱き締める
「ちーちゃん…いいの?」
髪をそっと撫でる彼
「……うん、いい…」
でも…ホントは違う…
本当は……
「……嘘つき…」
すると耳元で
そんな彼の声が聞こえた