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ネムリヒメ.
第9章  イチゴ味の夜と….




''一ノ瀬 蓮 (いちのせ れん)'' といえば

おそらく日本人ならば知らない人はいない名前だ



彼は名実ともに日本のビューティシーンのトップを走り続けるヘアメイクアーティスト


今や国内外に数多くのサロンや美容関連の店舗を運営し、そのグループの経営者…トップを務めるオトコだ




「…有名な人だし」


アタシは葵くんに頷いた


「で、その一ノ瀬さんの経営するお店のうち、都心にあるひとつがオレのサロンなんだよ」


「え…!?」



葵くん、今さらっとスゴイ言ったけど…


かの一ノ瀬蓮に、しかも都心の店舗を任されているとなれば、葵くんもそれなりの人物だということは言うまでもない


少し驚いているアタシに葵くんが続ける


「オレとナギは一ノ瀬さんに昔からお世話になっててね、プライベートでもよく可愛がってもらってて…ナギなんてそりゃもう愛されてるし♡溺愛状態♡」

「葵、なんかそれヤダ…」


愛されて…溺愛…って、ぇ…!?

あ…そういう…へぇ…世の中、愛の形は様々だもんね


「ぇと…いろんな趣味な人のいるも…」

「千隼! お前も、本気にすんな!!言葉選ぶな」


葵くんの説明に瞬きを繰り返していると、すかさず渚くんの鋭い声が横からとんでくる


「ははっ♪まぁ、それは冗談として…」

「ったく…」


おおっと、渚くんがすでに疲れてる

恐るべし、一ノ瀬蓮…



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