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ネムリヒメ.
第10章  眠らない夜.



「もう…だから言ったじゃん!!」


「…………ゴメ…」


アタシは自分の部屋のベッドに横になりながら、ぼやける視界に映りこむその人物に謝罪の意を告げる


「こんなになるまで気がつかないとか、ちーちゃんはおバカさんなの!? あぁ、おバカさんだからこうなったのか…」


横たわるアタシに向かって、頬を膨らませながらサラッと毒を吐いているのはスーツのジャケットを脱いで仁王立ちになる聖くん

すでに弱り果てたアタシにメンタル攻撃を仕掛けるとか、もはやその姿は甘党王子から毒舌王子に…

いや、正しくは小悪魔から悪魔に昇格

彼の甘い顔から繰り出される呪いの呪文にお花畑が見えそうになる


「もう…オレが早く帰ってきたからよかったけど、もっとちゃんと気をつけて……」

「…ん……」


しかし、眉を寄せ栗色の瞳を揺らす聖くんに心配され、彼の姿が瞬時に天使へと変わる


って、悪魔とか天使とか、ヤバいなアタシ…

頭痛い…



ぁ、なにが起きてなんでこうなってるのかってね……



『ちーちゃんのアイス、なんか変じゃない?』

始まりは彼のこんな一言だった…



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