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ネムリヒメ.
第10章  眠らない夜.



それから、アイスを食べながら一緒にテレビ見ていたんだけど…


「ちーちゃん、味見…」


今日も残念ながら溶けたただのクリームと成り果てたアイスをかき混ぜるアタシに、同じアイスを食べていたはずの聖くんがそう言った


「ん…!?」


不思議に思って顔をあげると彼と唇が触れあう


っ!!


アイスよりも甘い彼の匂いが鼻を掠める


「…甘っ」

「ふぁ…」


唇をペロッと舐められ思わず声が出て口を開くと、彼に舌を差し込まれ口内を味わうようにキスをされる


「んんっ…」


甘くくぐもった声とマンゴーとオレンジの香りが鼻から抜けていく


しかし突然、バッと聖くんの唇が離れた


…!?


「ちーちゃん、口んなか熱い…」

「ふえ…?」

「自分でわかんない?」


彼の表情が思いきり曇った



「やっぱり、熱…あるんじゃない!?」

「ぇ、平気だよ…なんともな…っ!!」


…なんともなくなかった


勢いよくソファーから立ち上がると、視界がグラリと大きく歪む


うわっ!?


へんな浮遊感に襲われてカラダが傾いた


「ちょっ、ちーちゃん!?」


慌てて立ち上がった聖くんが支えてくれたけど、ソファーの上に見事に音をたてて倒れたアタシ


そのあと聖くんがなんとか部屋まで連れてきてくれて、ベッドに寝かされたわけで…




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