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ネムリヒメ.
第10章  眠らない夜.






「っあ…」



目を閉じたままカラダをピクリと揺らして、少し掠れががった艶かしい声をあげる彼


聖はクスリと喉を鳴らすと爪で線を描くように引き締まった胸板をなぞる


「っ‼」


すると彼の閉じていた瞼がうっすらと開き、虚ろな目で聖を捉えた






















…思ったら、素早く身を起こして聖のカラダをベッドへと押し付ける



寝起きとは思えないほどに瞳をギラつかせ、鋭い眼差しで聖を上から見下ろした





「オレ…オトコ抱く趣味ないんだけど…」





それまで眠っていたせいで、いつもより低く掠れた声でそう呟く彼



「…っ!!」



聖はその眼差しに背中がゾクリとした


「聖…なんの冗談!?」


普段オトコには見せない艶やかな表情に聖は息をのむ


「オレが寝起き悪いの知ってるでしょ…」


「っ…」


彼の長い指が聖の薄い唇をなぞる


「それともオレに抱かれたい…!?」


聖自身にはオトコに抱かれる趣味はないが、彼に本気で迫られたら逃れられないのではないかとさえ思ってしまう

自分を容易くベッド押し倒し、上から見下ろすそのオトコの妖艶な眼差しにカラダの奥がゾクゾクと震えた


月明かりを反射した鋭い瞳と

ただならぬ色気で聖を追い詰めるオトコ…


それは…





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