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第11章 　体温計と風邪薬.

その感覚に背中をしならせ再び昇りつめるアタシ


「なんだよ…」


彼はショートパンツ裾から手をなかに滑り込ませると、下着の縁を指でなぞりながら微笑む


「言わなきゃわんないっつったろ…」

「っ…はぁ…」


触れてほしいのに触れてもらえない


もどかしい…

触って…


いつにもまして意地悪な彼に、瞳に涙が滲んだ


でもそんなコト…

赤くなった顔を背けると、ぐいっと顎を捕まれ嫌でも強制的に視線が絡む


「なぁ…触って欲しかったら、さっきみたく素直にねだってみろよ…」


妖しく漆黒の瞳を揺らす彼の顔は怖いくらいに官能的で、アタシのなかに残っていた僅かな理性をいとも簡単に壊していく

彼の低い声にカラダの奥がゾクゾクした


「ほら…」


「っあんっ…!!」


吐息まじりの声が耳元を掠め、熱い舌でアタシの真っ赤になった耳を犯しだす彼


クチャ…ピチャ…と卑猥な水音が脳内に響いて、考えるコトを一切遮断されアタシの唇は知らず知らずに言葉を紡ぐ



「っ…おねが…はっ…触って……」


彼にじわじわと追い詰められ、ビクビクと震えるカラダは泣きそうなくらい正直だった