この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ネムリヒメ.
第3章 無くしたモノ.
「……………抱いた」
「「はぁぁぁ!?」」
ふたりの大きな声がダイニングに響き渡った
「ちょっとナギー!? あんなコトあったあとに抱くとか どういう神経してんの?」
渚の胸元を掴んで葵が突っかかる
「あは、まあまあ」
それをちょっと楽しそうに見ている聖
「葵、離せ…きのうアイツを抱いたのは、アイツの意思だ」
「っ…」
渚の強い眼差しに葵が手を緩める
「んー、渚くんに抱かれるコトで記憶に蓋しちゃったのかなー」
「………」
そして再び訪れる重たい沈黙…
「…ねぇ、とにかく食事にしよ 話はそれから、ね」
聖がニッコリ微笑むと張りつめていた空気が少し緩んだ
「オレお腹ペコペコなんだよね、葵くん早くしてくんない」
「あーもぅ、お前ねー…」
テーブルに突っ伏してジタバタする聖の頬を葵がつねる
「…ナギはちーちゃん連れといでよ、すぐできるから」
「んっ…」
渚は葵に軽く返事をするとダイニングを出た