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ネムリヒメ.
第17章  極上スイーツ.




以前、"楓さんの妹だからって…"って雅くんに言われたあと、

聖くんがゴメンねって言ってくれた時の、彼の傷ついたような悲しそうな瞳を思い出す


それが今の聖くんと重なって、思わず聖くんの手を握りしめた


「…っ……」


苦しいくらいの想いは溢れだすけれど、うまく言葉にできなくて胸が痛かった


「っ…だからイイコっ♪」

「んわっ!!」


すると、哀愁を振り払うように思いきり笑うと突然抱きついてくる聖くん

ふわふわの彼の髪にそっと撫でると、聖くんは顔を擦り寄せながら大きく深呼吸をする


「いい匂い……あーあ、オレ会社戻りたくなくなっちゃった」


え…


「っでも…」

「仕事はちゃんとするけど、離れたくなくなっちゃった」


う…わ…

猫なで声で甘える聖くん

こんなときに可愛いとか思ったら…ダメ!?


「っ…でも、聖くんが戻らなかったら困る人もいるんじゃないの?」

「えー、いるかなぁ」


駄々をこねながら彼はソファーにカラダ倒すと、膝の上に頭をのせてくる


「いるって、怒られちゃうよ!?」


しかし…


「オレ…怒られるならちーちゃんがいい」

「っ…………!!」


膝の上から真っ直ぐアタシを見上げる聖くんの綺麗な丸アーモンド型の目

栗色の瞳をキラキラと揺らしながら見つめられる


や…ヤバいよ

その目…反則だよ!?

それに、ドキドキドキドキって…うるさーい






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