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ネムリヒメ.
第3章  無くしたモノ.



「ちょっ…落ち着いて!!」


ギュッと誰かに抱きしめられるけど


胸が苦しくて


息がうまくできなくて身を捩る


苦しい…


カラダも心も苦しくて悲鳴をあげていた





「ちーちゃん、目開けて!!」


「…っ!!」


ようやく聞こえた聖くんの大きな声

その声に目を開くと大粒の涙がぼろぼろとこぼれ落ちた


「ゃ…苦しっ…はっ…はっ…」


「大丈夫だから、顔あげて、オレの顔みて」


浅く息を繰り返すアタシの頬に優しい声で聖くんがそっと手を添える


涙でぼやけた視界に聖くんの栗色の瞳が映りこむ


「はぁっ…はぁっ…」


「苦しいよね…大丈夫、ゆっくりゆっくり呼吸して」


聖くんは落ち着いた声で涙を拭いながら、アタシの背中を押すようにさすってくれる




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