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ネムリヒメ.
第21章 あの夜の王子様.
……………
「ひゃ……んっ、ぁっ………」
ふたりの重みでソファーが深く沈んで軋む音が耳に届く
アタシのカラダを組み敷いた雅くんは、吐息を溢しながら確実にアタシを快楽の縁へと追い詰めていった
どんどん甘いものに変わる自分の声に戸惑う余裕なんて与えてはもらえない
静まり返ったプライベートルームに響くのはアタシの乱れた息づかいと甘い声
肌に唇を寄せる彼の金メッシュの向こうには、シャンデリアの淡い光が涙でぼやけて瞳に映っていた
涙がこぼれる度に、熱い舌でそれを拭われる
「っん…」
ざらついた舌の感触に上気した顔をピクリと反らせ、そのまま弱い首筋と耳を責められ全身がビクリと跳ねる
「はぁ…っ、は……んんっ…や…ぁ」
「嫌なら本気で拒めよ」
艶やかに目を細め、挑発的に身悶えるアタシを見下ろす雅くん
「は…ぁ…っ、できないなら…」
「ひゃっ……ぁあっ!!」
「フッ、素直に溺れろ…」
「ふ…やめ…言わな…っで」
濡れた音と甘美な囁きに鼓膜を揺らされ、留めようとしていた理性が鷲掴みにされ拐われそうになる
けれど、心とは裏腹に素直すぎるアタシのカラダは言うことを聞いてはくれなくて…
嫌なら拒めばいいでしょ…
泣き叫んで拒絶すればいいでしょ…
なのに…
戸惑いと混乱が入り交じる頭のなかではそう叫ぶのに、こぼれる吐息で開いたままの口からはか細い喘ぎしか出なかった