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ネムリヒメ.
第22章  あの夜の…….





自分がどこにいるのか知りたくて、横になったまますくむ身をゆっくりと反転させる

真っ先に瞳に映ったのは、窓の外に散りばめられた宝石のような夜景だった


アタシが寝かされているのはホテルの一室だと思う

夜景がすぐ側に見えるガラス張りの部屋のコーナー…

そこに置かれたベッドの上だということは確かだった

服は着ている

だが、けして無事だとは言い難い


こんなの…無事なんかじゃ…


涙が溢れそうになるのを堪え、なんとかカラダを起こそうと力を入れる

何度試みても外れる気配さえない手錠

赤くなった手首が痛々しく、指先は震えていた


どう…して…


なんとかカラダを起こしてベッドの上から部屋のなかを見渡す


…と、


あ…れ…


なぜかそこは見覚えのある部屋だった


遠くにあるテーブルには飲みかけのグラスと、開けられた大量のシャンパンボトル

潰されたタバコが乗った高そうなクリスタルガラスの灰皿の脇には、

よく知った人物が愛用しているデュポンのライターが置かれている


なん…で…


こんな状態なのに居るのはさっきまで彼らといた場所

格差の有りすぎる不安要素と安心要素が入り交じって生じる混乱


どうしてこの部屋に…

この手錠は誰が!?


おふざけにしてはタチが悪すぎる

だけど、今なら笑って許してあげるから誰が冗談だよっ…て言って欲しい


…ねぇ、誰かいないの!?

冗談だよね…


そう願いながらベッドから降りようとした時だった






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