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ネムリヒメ.
第4章 楓─maple─.
一通り屋敷のなかを案内されてダイニングに戻ってくる頃には、日が傾いて水色とオレンジ色の混ざりあった光が大きな窓から差し込んでいた
ダイニングに戻ってくると、彼らが楓の話をしてくれた
「ねぇねぇ、ちーちゃん。楓くんってちーちゃんの前ではどんなカンジ?」
始まりは葵くんのそんな一言
「どんなって、えっと…優しくて、カッコよくて、頼りになって、それで…」
楓はアタシと5つ歳が離れている
そんな彼は…
容姿端麗、頭脳明晰、運動神経抜群
その上、優しくて、頼りになって、センスもよくて、それからそれから…
全部ひっくるめて、とにかくカッコいい!!
でも…そんな楓がモテないはずもなくて
ただ、本人にその自覚がないのが非常にたちが悪かった
それもそのはず、楓に言い寄るオンナは
アタシが全部追い払ってきた!!といっても過言ではない……から
まぁ…昔の話だけど
それだけ楓のコトが大好きだった