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ネムリヒメ.
第25章 Black Emperor.
"勘違いしないで!!
今はちーちゃん一筋だからね"
呆気なくチャラ男の皮を剥がされた、どこかの色男がさっきそんなことを言っていた
個人的には、他人のオンナ事情は知ったこっちゃないし、そんなのどうでもよかった
…と、言いたいところだが、今回ばかりはそうもいかない
今世紀最強ともいえるチャラ男の前代未聞の身辺整理は、あまりにも周りに及ぼす影響が大きかったからだ
その帳本人である葵の器用さにため息がでた
その尻拭いを押し付けられた渚に頭が下がった
そしてそれをあのオトコに…
─完全に逆手にとられたんだ
だけどコレは自分の失態でもある
「ッ…」
きつく噛み締めた唇に吐き気が込み上げる
気がつけば、手の甲が唇の上を何度も行き来していた
自分のカラダにはけして触れさせることはなく、唇だけでオンナたちの意識を飛ばし黙らせた聖
葵からご無沙汰をくらって飢えていた彼女たちを大人しくさせるのは聖にとっては容易いことだった
唇と巧みな舌遣いで口内を犯し、指先の愛撫だけでオンナをイカせる
聖もだてにステータスだとか、ブランド扱いされてまでモテてきたわけではない
しかし…
─ちーちゃんの唇はもっと甘いのに…
今までどんなに相手にも数えきれないほどたくさん繰り返してきた行為に吐き気がする
唇や口内に残る彼女以外の味や感触を消したくて仕方がなかった