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ネムリヒメ.
第5章  シャンプーとアイスクリーム.



「お前…ひとりで平気か」


「ん…」


なんだ、心配…してくれるんだ


彼の切れ長の瞳が艶やかに揺れる


「なにかあったら葵か聖にすぐ言って」


「あ、りがと…」


至近距離でそんなこと言うもんだから、不覚にも ときめきなのか緊張なのか、よくわからないドキドキで声がちょっとだけ上擦った


彼はアタシの頬にスッと長い指で触れると優しく微笑んで部屋を出ていこうとする


しかし、



「渚くんっ」


アタシは追いかけるようにソファーから立ちあがり、扉に手をかけようとした彼の手を引いた


「待って…」


アタシに引き留められ驚いて振り返る彼


「どうした?」


優しい声に見上げれば、彼の瞳にアタシが映りこんで 長い睫毛を揺らす彼の顔があった

優しい眼差しのまま見つめる彼


「んっ…?」


すると彼の手が伸びてきて、アタシの長い髪をそっとすくって耳にかけた


露になった首筋にはまだ、今朝、彼につけられた紅いシルシがくっきりと残っている


「………っ」


それを指で撫でられると、肩がピクリと揺れた


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