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ネムリヒメ.
第26章 夜明け.
「ッ…んあ…!!やぁぁあ!!」
それだけでも大きく強張るカラダは、再び与えられた快楽に歓喜の涙を噴き上げる
それは同時に頂の低くなった絶頂へと千隼が昇りつめたことを意味していた
「ふ、んあ…ぁあ────!!」
白い喉元を剥出しにして…
髪を振り乱して…
衝動的な筋肉の強張りと痙攣に身を震わせながら、彼女の内部が激しく収縮する
雅の指を奥までくわえ込み、吸い付きながら締め上げてくる千隼
泣きながらよがる彼女に、何度も指を根本から食いちぎられそうになる
それでも雅が手を休めることはなかった
彼女をこんな姿にしたオトコの呪縛と名残がすべて消えるまで…
指を伝い落ちる雫に、注ぎ込まれた欲望の白の濁りがすべてなくなるまで
激しくも甘い水音をたて続ける
やがて…
もう何度目かもわからない快楽の頂きに押し上げられた千隼が、まるでそれまで憑いていた何かから解き放たれたかのように雅の腕のなかでくったりと瞼を落とした
雅は滲んだ汗に額に張り付いた彼女の髪を拭い、睫毛を濡らしたままの雫を唇でそっと拭う
涙の筋が光るその顔は、とても穏やかでどこか哀しそうだった
それから一度だけ…
今のさっきまで悲しいほど甘い嬌声を溢していた唇に唇で触れると、熱くて冷たくなった彼女のカラダを雅は静かに抱き上げる
─それからこの夜、
部屋に戻る者は誰もいなかった
月がとても綺麗な夜だった…