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そして、花開く
第7章 ~ 6 ~


(気になるって…俺を?!)
居心地が急に悪くなり、少し離れて座り直す。

『あ、あの。葉嶋さん?』
『取って食いやしない。ただ、もう少し回りに愚痴るとか頼るとかしたって良いんじゃないか、と思ってな』
『頼るって…』

そうは言われても、ただ清香と大樹の姿が目に焼き付いて離れないとか、大樹が来た日から大樹の態度が微妙に違う気がして気になるだけで、それをどうしたら良いのか等、分かるわけがなかった。

『あ~、あ~。言い方を変える。何でそんなに思い詰めてる?』
『思い詰めてる、んですかね』

手元を見つめながら、苦笑いをする。

その表情に葉嶋は一瞬何か言いたそうにしたが、黙って聞きながらウィンカーを点けて、車を走らせ始めた。

『…葉嶋さん、俺が児童施設にいたの、知ってますよね』
『あぁ、聞いてる』
『そこで家族みたいに一緒に生きてきた友人とその姉が居るんですが…。その姉が結婚するんです。長年一緒にいますけど、本当に何で今まで結婚しなかったのか?って思うくらいのいい女性なんです』

幸せになって欲しいと思う。
人一倍周りを気遣い、優しく出来る女性だ。

本当は少し淋しいのだけれど。

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