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Tears【涙】~神さまのくれた赤ん坊~
第7章 ♦RoundⅥ(天使の舞い降りた日)♦
有喜菜は小首を傾げ、紗英子を探るように見つめた。
「別に子どもじゃあるまいし、そこまで心配して貰わなくて大丈夫よ」
「だって、有喜菜の身体には赤ちゃんがいるのよ?」
私と直輝さんの赤ちゃんが。
言いそうになって、紗英子は慌てて口をつぐんだ。
「―時間も過ぎてることだし、そろそろ行きましょう」
有喜菜はそれについては触れず、二人はどこかぎくしゃくした雰囲気のまま眼に付いたイタリアンレストランに入った。
紗英子は、あさりときのこのバジル風味のパスタ、有喜菜はチーズカルボナーラを注文する。
「有喜菜、物凄い食欲ねえ」
紗英子は半ば呆れ半ば感心したように唸った。
有喜菜はパスタを大盛りにしただけでは飽き足らず、デザートにフルーツパフェまで追加した。まさか、まだ悪阻が始まるはずもないだろうけれど、妊娠初期というのは何となく熱っぽかったり身体がだるかったりと不定愁訴に近いような症状が出るという。
「別に子どもじゃあるまいし、そこまで心配して貰わなくて大丈夫よ」
「だって、有喜菜の身体には赤ちゃんがいるのよ?」
私と直輝さんの赤ちゃんが。
言いそうになって、紗英子は慌てて口をつぐんだ。
「―時間も過ぎてることだし、そろそろ行きましょう」
有喜菜はそれについては触れず、二人はどこかぎくしゃくした雰囲気のまま眼に付いたイタリアンレストランに入った。
紗英子は、あさりときのこのバジル風味のパスタ、有喜菜はチーズカルボナーラを注文する。
「有喜菜、物凄い食欲ねえ」
紗英子は半ば呆れ半ば感心したように唸った。
有喜菜はパスタを大盛りにしただけでは飽き足らず、デザートにフルーツパフェまで追加した。まさか、まだ悪阻が始まるはずもないだろうけれど、妊娠初期というのは何となく熱っぽかったり身体がだるかったりと不定愁訴に近いような症状が出るという。