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Tears【涙】~神さまのくれた赤ん坊~
第7章 ♦RoundⅥ(天使の舞い降りた日)♦
その時、有喜菜が小さなくしゃみをして、次いで咳込んだ。
「大丈夫!?」
紗英子はまたしても声が大きくなった。
「大丈夫よ、昨夜は急に冷え込んだでしょ。ちょっと風邪を引いたみたいで、朝、風邪薬を飲んだから」
紗英子は眼を剥いた。
「駄目よ! 妊婦が売薬なんて無意識に飲まないで。妊娠したら、ちゃんと掛かり付けで診て貰ってから、そこで処方された薬だけを飲まなくちゃ。無闇に売薬を飲んだりして、お腹の子どもに何かあったら、どうするつもり?」
有喜菜が音を立ててスプーンをテーブルに置いた。その音がやけに大きく聞こえたのは、紗英子の気のせいだろうか。
紗英子はそれには取り合わず、更にまくし立てた。
「それに、風邪気味だというのなら、仕事は休んだ方が良かったんじゃない? 無理をしてひどくなったら、それこそ強い薬を飲まなくてはならないでしょうし、それがお腹の赤ちゃんに悪影響を与えないって保証はないもの」
「大丈夫!?」
紗英子はまたしても声が大きくなった。
「大丈夫よ、昨夜は急に冷え込んだでしょ。ちょっと風邪を引いたみたいで、朝、風邪薬を飲んだから」
紗英子は眼を剥いた。
「駄目よ! 妊婦が売薬なんて無意識に飲まないで。妊娠したら、ちゃんと掛かり付けで診て貰ってから、そこで処方された薬だけを飲まなくちゃ。無闇に売薬を飲んだりして、お腹の子どもに何かあったら、どうするつもり?」
有喜菜が音を立ててスプーンをテーブルに置いた。その音がやけに大きく聞こえたのは、紗英子の気のせいだろうか。
紗英子はそれには取り合わず、更にまくし立てた。
「それに、風邪気味だというのなら、仕事は休んだ方が良かったんじゃない? 無理をしてひどくなったら、それこそ強い薬を飲まなくてはならないでしょうし、それがお腹の赤ちゃんに悪影響を与えないって保証はないもの」