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Tears【涙】~神さまのくれた赤ん坊~
第9章 RoundⅧ(溺れる身体、心~罠~)♦
「このままじゃ、狂っちゃう」
「狂っちまえよ。達きたいなら、このまま達けば良い」
 耳許で囁かれたその瞬間、有喜菜の全身を烈しい快感が貫いた。まるで雷土(いかづち)に全身を灼かれるような鋭い感覚に見舞われ、有喜菜は身体を小刻みに痙攣させながら初めての絶頂に達した。
「この程度で狂っていたら、身が保たないぞ?」
 直輝は笑いながら言う。
 ふいに耳を噛まれた。きゅっと歯を立てられたことに生まれた痛みが、淡い茂みに隠された自分の秘めた花に宿る欲望をいっそう煽った。そのことに、有喜菜は愕く。
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