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Tears【涙】~神さまのくれた赤ん坊~
第9章 RoundⅧ(溺れる身体、心~罠~)♦
 直輝は静かな声音で言った。
「思えば、俺たちは最も近い存在でありながら、お互いのことを何も知ろうとしなかったな」
 その口調には深い悔恨が込められているようにも、喪った、はるかな昔を悼み、懐かしんでいるようにも見える。
 その刹那、有喜菜はまたしても口走ろうとして、抑えた。
―それは、私のせいじゃない。あなたが本当の私を見ようとしなかっただけじゃない。
 今更、彼を責めたところで、喪われた過去―青春時代を取り戻せるわけではない。ただ、お互いに空しくなるだけだ。
 今は、このささやかな幸福に浸っていたい。たとえこの先、直輝とまた別れることになっても、今は彼と同じ時間を分かち合えることに感謝したい。
 おかしなものだと自分でも思った。当初の計画では、直輝を紗英子から奪えれば、それで十分だと考えていたのに、今の自分はもっと先を望んでいる。
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