この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
Tears【涙】~神さまのくれた赤ん坊~
第9章 RoundⅧ(溺れる身体、心~罠~)♦
 直輝の顔が歪んだ。
「俺がもっと早くに気づいていれば、あいつを不幸にすることもなかったし、お前にも辛い想いをさせることもなかった」
「―直輝」
 有喜菜はかける言葉もなく、ただ黙り込んで直輝を見つめた。
「俺はつくづく馬鹿な男だよ。二十四年前に、その事実に気づいていれば、ここまで糸がもつれることはなかったのに。考えてみれば、紗英子も含めて俺たちは出発点を間違えてしまったんだろうな」
「間違った道を歩いて、今、やっとその誤りに気づいたっていうこと?」
「だろうな。随分と長い時間がかかったけど、今からでも、俺たち三人はやり直さなきゃならない。このままの状態を続けても、きっと俺たちだけじゃなく、紗英子ももっと不幸になる」
 有喜菜はハッとした。直輝の口にした〝俺たち〟という言葉の中にはもう、紗英子は含まれていない。今の彼にとって〝俺たち〟というのは、他でもない有喜菜と直輝なのだった。
/401ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ