この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
Tears【涙】~神さまのくれた赤ん坊~
第9章 RoundⅧ(溺れる身体、心~罠~)♦
「一つだけ訊いても良いかしら」
 控えめに言うのに、直輝は頷いた。
「何でも訊ねてくれ」
「赤ちゃんはどうするの?」
 既に有喜菜には、彼がどう応えるか、あらかた予測はついていた。
 それでも、彼が返答するまでには少しの刻を要した。直輝は唇をかすかに震わせ、それから眼を伏せた。
「もちろん、紗英子に育てさせるつもりだ」
「あなたはそれで良いの?」
「良いも悪いもない。子どもに対して情はあるし、叶うことなら、いつも側にいて成長を見守ってやりたい。でも、有喜菜。俺と別れたら、あいつにはもう何も残らない。生命を賭けても惜しくはないと思うほどに望んだ子どもまでを紗英子から奪い取ることはできないよ」
 そして、結局、紗英子のその狂おしいほどの願いは天に通じ、その代償のように、紗英子は直輝を喪った。紗英子が子どもをあくまでも望み続け代理出産に踏み切ったことが、直輝と紗英子の間に決定的な亀裂をもたらしたのだ。 
/401ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ