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スケベ爺ゼウスの女の尻を追いかける旅
第9章 セメレー
あるいは、正体を明かすように迫ったが、ゼウスがこれを聞き入れないので、セメレーは本当の姿を示さない限り寝室に入ることを許さないようにし、ついに怒ったゼウスが雷光に包まれた真の姿を現し、セメレーは雷光に当たって焼け死んでしまった、とする話もある。


セメレーの胎児はヘルメースが取り上げ、ゼウスの大腿のなかに縫い込んだ。


この時胎児は6ヶ月であり、さらに3ヶ月後に誕生したのがディオニューソスである。


ディオニューソスは、このために「二度生まれた者」「二つの門の子」などと呼ばれる。



古代ギリシアの地にディオニューソスの信仰が確立され、神の座を占めるようになったとき、彼はレルネーの底なし沼を通ってタルタロスに下った。


ディオニューソスは、ギンバイカの木をペルセポネーに贈り、これと引き替えに母親のセメレーを連れ戻した。


ディオニューソスから神性を分け与えられたセメレーは女神となった。



セメレーはトロイゼーンのアルテミスの神殿に入り、そこから天に昇った。



ディオニューソスは、他の死者たちがセメレーを嫉妬したり、憤慨したりしないように、母の名前を改め、『テュオーネー』として神々に紹介したという。




これこそゼウス自身の手で浮気相手を抹殺させる、ヘーラーの狙いだったのだ。


セメレーが身ごもっていた胎児は神の血を引いていたので焼死を免れ、酒の神ディオニュソスになったが、彼も成長するまでヘーラーに狂気を吹き込まれるなど、執拗に迫害を受けた。





『私の夫のゼウスの手によって死になさい!byヘーラー』


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