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真夜中の贈り物
第10章 朝恋っ!

 慌ただしく着替えて玄関に向かう雪希。

「もうっ……朝連あるって言ってたのに……遅刻しちゃうよっ!」

「えー、まだ早いじゃん」

「アイスホッケーはサッカーと違って色々と準備に時間がかかるのよ!」

「ふーん、じゃあ今度から朝練やめる?」

「やめられるわけないでしょ! キャプテンなんだから……」

 言いかけて、雪希は亮太の言葉の意味に気づいた。
 見るとトーストを頬張りながらお見送り体勢の亮太がニヤッとしている。

「……俺が言いたいのはそっちの朝練じゃなくてだな」

 カアッと顔が熱くなる。
 それでも、やっぱり雪希の答えは同じだった。

「……やめられるわけないでしょ! 馬鹿っ!」

 バタンとドアを空けて外に飛び出す。
 どうやら、夜の間に雪が降っていたらしい。

 外は一面の銀世界だった。








《朝恋っ! 了》
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