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真夜中の贈り物
第16章 ボイストレーニング
 先輩と後輩が声を揃えて、お胎の底から身体全体を揺さぶるような咆哮が、絶頂の法悦が、客席の遥か向こうにまで届くハーモニーとなって迸り、響き渡った。

 ぶるぶると鏡花が震え、亜優にしがみつく。ぐったりと折り重なるようにして演壇に上体を預ける二人。

「はあっ……はあ……はあっ……」

 荒い、しかし甘い吐息が二人の唇から零れて混ざる。

 いつの間にか鏡花の背からは、それまで感じていた彰の、男の体の重さがなくなっていた。その姿も。

 膣内に満ちていたあの充実も。

 しかし、滾りの残熱をはらんだ白い体液は確かにそれが現実の行為だったという証拠であるかのように、曝け出されたままの鏡花の裂け目からドロリと垂れ落ちていた……。











《ボイストレーニング 了》


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