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Memory of Night
第7章 夏祭
どちらかと言えば宵の方が手を出していたのだが、そんなことを言うと晃にまた女らしくだとかわけのわからないことを言われてしまいそうなので黙っておく。
それに、さっきの様子からどうせバレてしまっているだろうし。
だが晃は何も言わなかった。
「それより何買ってきたんだよ?」
「ん?……コレだよ」
そうして差し出したのは、戦隊物のおめんだ。
レッドとグリーン。ご丁寧に宵の分まである。
「ダサッ」
思わず吹き出すと、晃もため息をついた。
「仕方ないだろ? コレぐらいしか見つからなったんだ」
言ってグリーンのそれを装着し、レッドを宵に渡す。
「……俺は顔隠す必要ねーじゃん」
「あるの。正体バレそうになってたじゃん。ほら」
促され、しぶしぶそれを装着する。
その時、屋台の向こうにまた南風高校の生徒を見つけた。
宵のクラスメイトのコ達だ。
ヤバイ、と認識する暇もなく、晃に手を掴まれた。
「ここは危険地帯だ。さっさと出よ?」
そう言うなり、宵の手を引いたまま駆け出した。
「お姫様は俺が守ってあげるよ」
なんて軽口をたたきながら。