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Memory of Night
第1章 誘い
「ねえ、宵(よい)くん、ほんとにいいの?」
ーー放課後の理科準備室。
薄暗い部屋の中、百キロはあろうかという巨漢の男が組み敷いた男に聞いた。
これから始まろうとしている行為に、少しばかり怯えている。
「いいって言ってんだろ? 早くしろよ。外、暗くなっちまう」
なが机の上に寝そべるようにして体を横たえていた男は呆れたように言い、肩より少し長めの髪をばさっと振り乱した。それから巨漢の汗ばんだ手を掴み、自分の胸元へと導く。薄目を開けて、その男を誘う。
日も傾きかけた夕刻、閉めきったカーテンからは微かに陽の光が透けていた。その光は宵の白い肌を照らし出し、彼の肌は普段からは想像もつかないような艶を帯びている。
男の喉がごくりと鳴った。
「ほら、来いよ」
それが合図になった。
宵にそっと頬に触れられ、男は宵の首筋に、噛みつくようなキスをした。