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Memory of Night
第13章 吉報
宵が次に目覚めた時、目の前には一人の看護婦がいた。
晃はいない。晃とのやりとりはまるで夢の中の出来事のようにおぼろげな記憶しかなかった。
腫れぼったい瞼の重みだけが妙にリアルで、さんざん泣いた時のことを思い出させる。
その後はベッドに連れ戻され、晃は宵が眠るまでずっとそばにいてくれてたみたいだ。
「体の具合はどうですか? 痛むところはありますか?」
穏やかに聞いてくる看護婦に答えようとしたが、喉がかすれてうまく声が出なかった。
代わりに首を横に振る。
「そうですか」
看護婦は微笑んで、宵に目線を合せるために中腰になっていた上体を起こす。
「少々お待ちください。今先生呼んできますから」
そうして部屋を出ていった。
宵は自分の体にかけられている毛布をめくった。
右肩の少し下の部分には包帯。左足は毛布で見えないけれど、多分何かで固定されている。
首を巡らすと違和感。どうやら、首にも包帯が巻かれているようだ。
しばらく待っていると、ノックの音と共に手にトレイを持った弘行が現れた。