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Memory of Night
第14章 聖夜

「晃ー! あと窓は閉めなさい、風邪引くと困るから!」
「わかったって! 行ってらっしゃい!」

 微妙に過保護すぎる母の言葉に晃は小さくため息を吐いた。
 酷く名残惜しく感じながらも言いつけ通り窓を閉めようと手を伸ばす。
 すると、一度は遠ざかっていった母の足音が、再び近づいてきた。
 今度は一体なんなのか。
 もう一度ドアに向き直ると、ドアの向こうの母からは意外な言葉。

「晃。お友達がお見舞いに来てくれたわよー」
「え? 友達?」

 こんな時間に? 部屋の時計を確認すると、すでに七時をまわっている。
 母はドアを開けることなく、その向こうで何か言っている。

「久……ぶりね。いん、……めでとう。……しく……時間がないの。ご……なさいねゆっくりして……てね」

 また階段を駆け下りる音。
 慌ただしい人だな、と思っていると、ためらいがちなノックが聞こえた。
 応えると、ドアが開く。

「……!?」
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