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Memory of Night
第15章 告白

 だが、いくら人がいないからって公共の場でイチャこくのはどうかと思う。
 掴まれたマフラーを取り戻そうと宵が晃の手を掴み返す。その手はぞっとするくらいに冷たかった。
 かなりの薄着で、しかも素手のまま雪に触れていたのだから当然といえば当然だが。

「本当に寒くねーの?」
「うーん……少し寒いかも」

 だったらやせ我慢せずにさっさと言えばいいものを、と宵は眉をひそめた。

「宵が抱きしめてくれればあったまるんだけど」
「やーだね」

 宵は小さく舌を出し、首に巻かれているマフラーを取った。
 途端にひんやりとした冷気が首もとを襲う。
 だけどもともとマフラーとコートは晃の物だ。宵がコートの下に着ているのは長袖のTシャツ一枚で、さすがにそれだけだと凍死しそうなのでコートは返せないけれど、マフラーなら。
 宵は品のいい緑色のマフラーを晃の首にかけた。多少乱暴にぐるぐると巻いていって、余った部分は前に垂らす。

「これで少しはマシになるだろ」
「ああ……ありがとう」

 そう礼を言う晃の体はわずかに強張っていた。
 ガチガチになるほど寒かったのかと聞くと、晃は首を振って否定する。
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