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Memory of Night
第15章 告白

 晃から逃げるように身を引き、雪の塊を指さす。
 そういえば雪だるま作りを中断したままだったことを思い出し、晃は二つめの塊に手を伸ばした。
 まだ小さいサイズのそれに雪を集め、ギュッ、ギュッと固め始める。

「じゃあ宵。枯れ葉とか枝とか石拾ってきて」
「え?」
「えじゃなくて。顔や手がないと変じゃん」

 雪の塊を二段に重ねながら晃が言う。
 確かにこれだけでは雪だるまに見えない。
 というよりそこまで本格的に作るつもりだったのかと思う。
 てっきり、手悪さ程度にいじっていただけかと思っていたのに。
 そういえば晃は意外と凝り性だったのを思い出した。

「……自分で取ってこいよ」
「つべこべ言わずに。冷たい雪の上に押し倒されたくなかったら早く」

 なんだか当然のように恐ろしい脅し文句を吐きながら、晃は顎をしゃくって宵を促した。
 しぶしぶ立ち上がり、雪の上を歩きながら木の下に向かった。
 木枯らしが冷たい。肌が剥き出しの部分がすーすーする。
 雪の降り積もった地面は歩きづらいし、朝っぱらから何をしているんだかと虚しくなったけれど、気にしたら負けな気がする。
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