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Memory of Night
第15章 告白

「優先順位は、いつだって自分でいいよってこと」

 囁いて、晃は笑みを浮かべた。
 宵は呆けた顔をしている。間の抜けた顔もそれはそれで可愛い。
 しばらく眺めた後で、晃は再び雪だるま作りを再開することにした。
 宵が拾い集めてきた小道具で、まず目や鼻、口を作る。
 枝を手の代わりに一段めの雪の上の方に差し、小さい石三つを縦に並べて銅の部分に埋め込む。
 枯れ葉で帽子のように飾り付けをし、ようやく完成した。

「意外とそれっぽいじゃん」
「即興で作ったにしては上出来だろ?」

 覗きこんでくる宵の髪を梳きながら、晃は得意げに笑った。
 手のひらサイズよりも一回りほど大きな雪だるまは、二人に向けていびつに微笑んでいる。

「宵にあげようと思ったんだけど」
「……持ち上げたら崩れるだろ」
「確かに」

 仕方なく、この場に置いて帰ることに決めた。

「そろそろ行くか。もうすぐ十時半になるし、歩いてるうちに店も開くだろう。久々にデートしよう?」
「いいけど。どこ行く気だよ?」

 二人で立ち上がり、宵が時計に目を向けようと顔を上げる。
 だがその視線がふいに止まった。
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