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Memory of Night
第6章 再会

父親は医院長。母親は看護師。嫌でも金は入ってくる。
職業柄、両親が家にそろうことはほとんど皆無だったが、その代わりモノには不自由しなかった。欲しいと思うモノはすぐに与えられた。
少しでも興味を引くモノがあれば、すぐに目の前に用意された。だから何も、欲しいと思うこともなくなった。
でも宵は違った。手に入らなかった、ずっと。
宵の目に映るのは、いつだってあの、栗色の髪の女性だけなのだ。
「あと、なんか勘違いしてるようだけど」
晃は宵の顔を指さして言った。
「あの金髪の男が狙ってたのは、俺じゃなくてむしろ君の方」
「……俺?」
晃の言葉に、宵が怪訝な顔をする。
あの不良達と喧嘩をしたのは、今日が初めてのはずだ。他に、これといった関わりもなかったし、恨みを買ったことなどもちろんない。
狙われる理由が思い当たらずにいると、晃が呆れ気味に言った。
「宵。君は夏休み、いろんな子を派手に誘いすぎた。金と引き換えに体を売っていること、バレてるみたいだよ、学校の連中に」

