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ガラスの靴がはけなくても
第5章 赤のしるし
「――っ!あぁぁっ」
耳にキスされたと同時に一気に突き立てられた指。
「次はちゃんと言えよ?」
低く掠れた声が耳元に甘く響いて、身体が一気に沸騰する。
「もっと見せて。俺に乱れる可愛い藤野を」
……やっぱり、ムカつく。
「も…ッ、だめ、あぁっ、んん!ぶちょ…うっ!やぁぁ」
指と舌でぐちゃぐちゃにかき回されるのが良すぎて。
さっきよりも大きな波が押し寄せてくるのが分かって。
「やっ、イッ…ちゃ、あぁっ!イ、ク…っ!あぁぁっ――」
固く閉じた瞳。
果てた後に感じたのはシトラスの香りだった。