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ガラスの靴がはけなくても
第7章 春の風
部長の背中を追いかけて隣に並ぶ。
横顔も綺麗だなぁ、なんて思って一人で勝手に心臓の音を大きくさせるんだから世話ない。
自分の今まで上司であった彼に、まさかこんな感情を抱くなんて思いもしてなかったのに。
急激に変化した状況に心が置いていかれそうになっていたけど、やっと追い付いてきた。
そう、追い付いてきたのに……
「あっ……」
また変化を与えようとしてくる。
ねえ、どうして。
どうして、今のこのタイミングなの?
思わず立ち止まってしまった視線の先には、見慣れた姿。
つい数ヶ月前まで隣にいるのが当たり前だった人。