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ガラスの靴がはけなくても
第4章 揺れる
―――……どうやら私は部長の前で気を失うのが得意らしい。
目を開けると暗い室内。
カーテンから漏れる光を見つけて一夜が明けるまで寝ていたことを知る。
「うぅ…」
頭と体が重い。
とりあえず起きないといけないとだるい身体に鞭を打ち、肌触りの良いシーツに手をかけ……
そこでようやく見覚えのないベッドにいたことに気付いた私は寝ぼけているにも程がある。
こんなにも部長の…シトラスの香りに包まれていたのに、何を悠長にしていたんだろう…!
そして違和感を感じ視線を自分の体へと下ろす。
服は着ている。
ただ、私が着ているのは私の知らない男物のシャツ。
あぁ、また私はやらかした。