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ガラスの靴がはけなくても
第4章 揺れる
側に立っていたはずの部長に突然ギュッと抱きしめられて固まる私。
ドキドキ苦しくて息も詰まりそうなくらいだけど、何故か居心地の良い腕の中。
本音を言えば……何も考えずただ流されていたい。このまま抱き締めていて欲しい。
「いい子」
昨日と同じセリフを耳元で囁くと、優しく頭を撫でられる。
苦しく鳴り響いてぎゅってしめられるよな感覚に心臓が持たないと思った。部長といるといくつ心臓があっても足りない。
「覚えて…るんで離して下さい」
「やだ」
「やだって…!もう部長!」
流されないように精一杯の私の言葉に、子供の様に答える部長。
さらに私を抱き締める腕の力を強めた。
「もう、いい加減分かっただろ?」
「………え?」
「すっとぼけてんじゃねぇぞ」