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ガラスの靴がはけなくても
第1章 眠れぬ夜
私の返事をを聞くと満足そうな笑みを浮かべた部長。

大丈夫そうなら行くぞと言う言葉に身支度を整え医務室を後にした。


謝罪とお礼を述べたものも、申し訳なさは半端じゃない。
いきなり倒れた挙げ句、運んでもらっただなんて。


なのに、



「藤野は電車通勤だったな?俺は車だから今日は送ってくよ」



そんなことまで言ってくれるから、さっきまで重いと感じてたはずの頭をブンブンと振った。



「結構です!これ以上部長に迷惑かける訳には!」



「あのな、もし一人で帰してその途中でお前が倒れたどうする?そっちの方が迷惑かかると思わないか?」



「うっ…」



そうかもしれないけど…。





「それに、まだ顔色が悪い。心配だから送らせろ」





身長が高い部長は頭を屈める様にして、顔を覗き込んではそう言った。


結局私は頷くしかなくて。


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