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月 ~優香~
第25章 嘘 〜健一〜

俺を迎える二人に間には、もう俺の入り込む余地などなかった。
昔の3人のバランスは、俺が帰ってきたところで、もう元には戻らない。
幸い、日本では、俺はもてる様だった。
時々呼び出されては、告白されるようになった。
それは、有難い誘いでもあり、申し訳ない気持ちもあった。
「俺、君のことあまり知らないから、好きになれるように努力してみるね。それでもいいかな?」
この子なら。。。っと想う子から誘われると、そんな風に、逃げ道を作って告白を受けた。
それでも、俺なりに本気でその子を好きになる努力をした。
デートに行きたいと言われれば、必死に雑誌をめくって、
同級生に聞いて、デートのプランを練った。
一人だけを大切にしようと努力もした。
キスをしたら、好きになれるかもしれないと想い、キスをしてみた。抱いてもみた。
それでも、俺の別れ文句はいつも一緒だった。
「ごめん。努力したけど、やっぱり好きになれなかったみたいだ。」
女たちの情報は、どうしてああ早いのか。。。
別れた次の日には、また誰かが告白をしてきた。
その時、その時で、俺も必死だった。
どの子にも誠意を尽くしたし、大切にした。
俺の頭から、理緒を追い出したかった。
紛れもなく、俺自身が、彼女たちを本気で好きになって、救われたかった。
しかし救世主は現れなかった。
一年たっても、二年たっても、俺の頭の中から理緒を追い出すことはできなかった。
彼女たちとは、長くて半年、持って3カ月だった。

